ミトシロ書房の業務日誌

■出版社に勤めたのち、フリーランスの編集者・ライターとして独立。『入りにくいけど素敵な店』という著書も出しました。レシピ本や街情報誌が得意なのですが、最近は書籍(単行本)を企画から校了まで、出版社の編集者さんとタッグを組んで制作請負などをしています。週刊誌はレシピなどのグラビアページをはじめ、文字みっちりの取材モノにも取り組んでいます。
■WEBメディアの仕事も歓迎します。場合によって写真撮影、取材コーディネート込みでお受けします。
■四柱推命、周易、断易できますので、占いのご用命もどうぞ。

お仕事のご依頼は necocco2010☆gmail.com (☆を @ に変えてください)まで。

2014年3月28日金曜日

編集者観察日記2 漫画編集者編後編

「最近どうすかどうすか? もううちねえ、やばいっすよ。(リストラの詳細描写略)なんてことがありましてね。それと(結構ヤバイ不祥事)。○○○が辞めて編集部員もいなくなったから、ぼくなんか担当(担当漫画家さんの数)増えまくりですよ。給料は30代が○%、40代は○%カット。担当増えたのに交際費も去年の半額にしろってことになって。(本来なら編集者が漫画家に接待するべきところを)つきあいの長い漫画家さんだと事情を知って憐れんでおごってくれるんすよ。○○○(大手出版社)なんて、編集者が電車で帰りたくないから用もないのに漫画家さんのところに行ってタクシーで帰っているっていうのに」(大意)


と、某ハンバーグレストランで
2時間ほど愚痴っておられました。

結構な遊び人で「イケナイ遊びも仕事のうち」と
カラダを張って漫画家さんにネタ提供。
そんな働きぶりで担当漫画家さんにたいそう
愛されていた氏。
最近は、朝から晩まで仕事漬けで夜遊びもできない。
給料カット&交際費半減となり
休日も出かけず猫を抱いてふて寝をしているそう。

わたしが2社目の出版社に入ったときに
新人さんだった氏。
わたしが独立したら、ご祝儀代わりに
おもしろい編集仕事を投げてくれてマジ感謝してる。

会社組織にいる編集者って
漫画家などの作家やわたしらみたいなフリーと
ちょっと背徳的な関係がある。
言葉は悪いけど、会社をうまーくだまして
原稿料や交際費を引き出して、
外注者にいかにおもしろい仕事をしてもらうか!?
そんな共犯関係こそ真骨頂だったんだけどねえ。
出版業界、なかなかしんどいよ!
カイシャイン編集者がんばれ。超がんばれ。応援してる。


(木村悦子)

松本に行った話

とあるコーヒー焙煎会社の
広報業務のお手伝いをしておりまして、
取材活動の一環? として松本市に行ってきました。

出張の楽しみといえば、ご当地グルメ。
泊まりならなにがなんでも地元のスナックに行きたい。
訛ったおっちゃんらと演歌を歌いたい。
でも今回は日帰りだったので酒場へGO。

松本といえば、酒界の偉人・太田和彦さんの生誕地。
太田さんは、『きく蔵』(長野県松本市大手4-7-10)を
行きつけにしているとの情報を得て、行ってみました☆

「もう予約でいっぱい」という女将に
「そこをなんとか!」と頼み込み・・・カウンターに
1時間だけいられることになりました。

お品書きを見て、目がほしがるものを一気に注文!

▲馬タン刺身
 ▲ばくらい(ホヤとコノワタの珍味)
 ▲筍まんじゅう


ここで、もう一晩松本残留の会長殿と解散。
(どうもごちそうさまでした)
広報担当(美人)とわたしは開放感のあまり、
電車待ちの30分でもう1軒。

▲駅前の居酒屋でどうってことない蕎麦を注文。
普通においしい。


電車に乗る前に、地元スーパーを物色。パピロGET。
パピロって懐かしい。調べると、日本各地にあるみたい。
語源が意味不明なのも魅力的。
紙(paper)みたいな生地で巻くからかな。
  

▲神戸産のパピロのとなりに、正真正銘地元信州産のパピロがあった
▲厚め歯ごたえ十分の生地に、昭和味のクリームがぎっしり


ああもうなんかしあわせ~。



(木村悦子)

2014年3月27日木曜日

こぼれ話ひとつ

「派遣で○○の仕事をしているとき派遣切りにあい、さらに離婚でシングルマザーに。『人生変えよう』と、カフェ開業を決意しそんなタイミングで出会ったのが現だんな様。業務用のガス台や冷蔵庫などを売る会社の設計者(デザイナー)でした。超やさしいだんな様を、その会社の厨房機器つきでGETし、念願の自分のお店オープン!」




こんな話は雑誌に書かないから、
完全取材こぼれ話ね!
人生って案外素敵。


(木村悦子)

2014年3月24日月曜日

三無(無ろ過・無換水・無加温)主義的超自然水槽 春の巻

1月に立ち上げた水槽に
浮き草が加わり、まさに沼!!
停滞した“水のカタマリ感”が超好み。

そんな陰気な沼水槽に
アイドルがやってきました。
単色グレーで地味コンサバの
黒めだかさんです。

さて、うちは日当たりがよすぎるので、
ガラス面に苔がファサーと生えます。
黒めだかさんとともに、
石巻貝5人衆を投入して、苔取ってもらいます。
みるみるうちにガラス面が透明に~。

わたしは生き物を飼うのが得意。
猫を飼えば洋式トイレで用が足せるようになるし、
水槽もかっこいいのを作ると評判だ。

↓水槽作りにおいて心がけていること
*外来種は避ける(国粋志向)
*機械ではなく、植物と生き物の生命作用で透明な水を保つ
*酸素を送るエアレーションはダメ

閉じた透明水槽の中で
生態系的なものを再現しているつもり。、
小さな地球を飼っているみたいで
萌え萌えしちゃいます♡





※参考(1月22日の水槽)
http://mitoshiro.blogspot.jp/2014/01/blog-post_22.html


(木村悦子)

2014年3月19日水曜日

編集者観察日記1 漫画編集者編前編

大学卒業後、3社の出版社で10年強働いた。

最初の会社に入社したときから
出版不況なんて言われていて、
「ああそうですか、本なんてもう売れませんよね」と
さむ~い気持ちで過ごしてきたけども、
やっぱりわたしはこの仕事が好きだ。
(※その後、iPadやiPhoneが世を席巻し、
さらに情勢は悪化)
そして、そんな斜陽なギョーカイで
石にかじりつくようにして、
泣きながら本を作っている仲間は、
おもしろくも頼もしい面々ばかり。

わたしのように「組織もうやだ」って
ザセツしなかっただけに
それなりに出世していたり、
待遇のいい出版社に転職していたり。
わたしとしては、いろいろな出版社に
布石ができたような気分でホクホク♪

さて、編集者とひと言で言っても、
雑誌でも月刊誌か週刊誌か、
ファッションか街情報誌かなど、
内容によって編集者の仕事はさまざまです。
とくに、漫画は独特だなあ~と思うわけ。

きのう、結構長く懇意にしている
漫画編集者に久しぶりに会ったので
ネチネチと観察を決行。
漫画編集者の隠された日常? 生態? を
本人には内緒で公開しちゃいま~す☆


[後編へ続く]


(木村悦子)

2014年3月17日月曜日

超仕事論 ~コーヒーを飲みながら

働く皆さん、こんにちは。

年が明けてからずっと仕事の切れ間がなく
たいへんありがたいことです。
本を作ることしか考えていなくて、
これはこれで幸せなんだけども。

今年はとくに、飲食店取材に力を入れて、
多めに受ける方針。

飲食店取材って“慣れ”の世界です。
数をこなすうちに、「これぐらい話を聞けば、
これぐらいの文字数は書けるわ!」っていう
省エネ的スイートスポットを体得していきます。

これを得て、堕落していく同業者もいるけど、
わたしは常に新鮮な気持ちで、
飲食店取材に超体当たりしてみたい。

さて、先日取材した、『カフェバッハ』。
ここの原稿をさくっと書いて、編集部に送りました。
きょうのMYタスクは完全終了。飲み行くぞ。

・・・と、なにげなくバッハのホームページを見たら、
(C)カフェバッハ http://www.bach-kaffee.co.jp/about.html


ヤバイ。泣きそう。
わたしは何を見てきたんだ。
その店の前で酒盛りをしているオッチャン、
道路で寝ているオッチャンばかりだったではないか。
そういや、交差点で変な人に声をかけられて
こわかったなあ。
3月11日14時46分は、泪橋交差点で黙とうをした。
日本最高レベルのカフェが、
日本最大級のドヤ街にあるわけって・・・。
さまざまな人生の中でこの街に流れ着いた人たちが
あすもおいしいコーヒーが飲めますように。


(木村悦子)

2014年3月15日土曜日

花板(はないた)、焼き海苔箱、大人の蕎麦屋

飲食店取材の日々です。
蕎麦屋で聞きました。
ギョーカイでは、板場を取り仕切る
板前さんを“花板(はないた)”って呼ぶんだって。
なんてステキなことばだろう!

蕎麦屋が密談なんかに使われることもあった時代。
大阪ではじまったその店は、
家康の江戸入府にともない、そこの花板が・・・

おっと、ここまで。続きは雑誌で。


大の大人が昼間っから酒を飲んでも
後ろめたさがないところ。
蕎麦屋だったら、そんなに深酒もしないしネ。

でもその店には、とってもおいしい
焼き海苔があるんだ。
お酒は「黒松剣菱」推し。うめ~。

海苔が入った漆塗りの小箱の中には小皿。
小皿の中には、燃える炭。
こうして下からあぶることで、
最後まで湿気ることなく海苔がいただけるという
イキなお道具なのであります!

いまの居酒屋のようにいろいろなモノはないけど、
工夫を凝らせば食の楽しみは∞(無限大)!

きょうもあしたも、ホンキでごはんを食べようね!


 (木村悦子)

2014年3月14日金曜日

校了メシ!

花の金曜日とかどうでもいいから、
わたしは、働く皆さんに深く共感する。
もー、ほんとにめんどくさいことばかりで
いろいろ限界!

(・・・愚痴はほどほどにね・・・)

というわけで、こういうときはやけ食い。
校了中はジャンクなものが
荒ぶる心を鎮めます。


ペヤングとホワイト(修正ペン)。
まさに激務ですさんだわたしの現実!


ペヤングは2玉入りの超大盛り。
ずぼら飯レシピ、いきましょうか。



「校了メシ」

1、シリコンスチーマーにペヤング麺を1玉入れ、
沸騰したお湯を回しかける。

2、2分したら刻んでおいたネギを加える。

3、ネギがしんなりしたらお湯を捨てる。

4、中濃ソース大さじ1と、ペースト状の中華調味料少量を加え、
よくかき混ぜる。※ウェイパー推奨


過剰糖質と化学調味料でしびれる眠気が
やってくるという諸刃の剣。

  


(木村悦子)

2014年3月12日水曜日

『いま注目の東京カフェ案内』


本を作っているときの編集者は
不安で死にそう。
「わたしの記事おもしろい?」
「レイアウトかっこいい?」
「内容に間違いない?」
「編集長、なんていうかな?」
「本、売れる??」

どきどきどきどきどき。

本を作っている編集者を見かけたら、
やさしい言葉をかけてあげてください。

会社員編集者は「ヘンシュー部」という
一蓮托生的組織に属していることが多く、
そこでは、上下左右のニンゲン関係がうざいもの。
それで、ブツブツ文句を言いながらも
ナカマがいるので、死にそうな締切期を
なんとなーくやりすごすことができるのです。

一蓮托生的世界から飛び立った
わたしのような独立系編集者は、
一人でブツブツ文句を言いながら
本を作っています。
不安で死にそうどころか滅亡しそうだよね。

さて、そんなわたしが久しぶりに
「ヘンシュー部」に助っ人としてお呼ばれしました。
結果として5夜も明かしてしまったデスクが与えられ、
脳の栄養・ぶどう糖チョコが与えられ、
ベテラン編集者と敏腕DTPオペレーター嬢が
がっちりあてがわれました。

そんなチーム編成で作ったのがコチラ!
163軒も収録しちゃって、鼻血出そうだよー。
表紙に脱力系のイラストが浮遊していて、
なんかちょっとおもしろいかも!?

数年ぶりに編集後記なども書かせてもらって、
束の間の「ヘンシュー部」生活、楽しゅうございまして☆

■誌名=いま注目の東京カフェ案内
■価格=758円
■出版社=KADOKAWA
http://www.amazon.co.jp/dp/4047313475




(木村悦子)

2014年3月11日火曜日

3・11

感動する音楽とか抽象的・ポエム的な
あいまいな言葉とか、
絆とかどうでもいいから!
この国をどーにかしていこうね(絶望禁止)
そう、そうだよ。きょうは。

(木村悦子)

2014年3月6日木曜日

泪橋を逆に渡る人


山谷エリアの町おこしのために
矢吹ジョーの人形が置かれていました。

通りの反対側に設置したら、
ジョーの背景にスカイツリー、という
絶好の撮影スポットになるはずだったのに。
やや惜しい!


(木村悦子)
 

おもしろいこと主に2つ

1、飲食店を取材しまくっている!

某所で「ことしは飲食店100軒取材!」と
宣言したのですが、もうすでに20軒弱。

飲食店取材と言うのは、
超大作の創作をするものでもないし、
記名で論文を書くでもないし、
オピニオンを発表するものでもない。
アポ入れて→取材して→事実だけ書いて
→校正を依頼して……と、
その内容は地味~。

でも、もともと食に無頓着だったわたしが、
食の世界に魅了されてしまい、
いまは飲食店取材がとっても楽しくって!



きょう浅草の老舗◎◎屋でも
いい話を聞いたんだー。
グルメ記事を書くための取材が終わってからの
どうでもいい世間話と下町トークが最高。
人をノセて話を引き出すのが
我ながら上手だなー、なんて(笑)。

★神棚について★
「◎◎を扱うからには◎◎に失礼があっちゃいけない。
わたしが幼いころからあったの」と
神棚(神式)の隣に◎◎観音様の神棚造仏壇。
いい感じの神仏習合っぷりである。
聞くと、「神社仏閣の多い浅草の宮大工が
誂えで造ってくれたんです」とのこと。
いいなー、造り付けの神棚&仏壇。
神棚には新鮮なお榊が、仏壇にはきれいな
菊の花が飾られ、清涼な空気を感じる。
神様・仏様を大事にしているから、
お店も繁盛しているんだろうなー。

★下町について★
以前、町屋というド下町に住んでいたというと、
「へえ、町屋ですか。昔は葬儀屋と長屋しかなくって、
『町屋のくせに』なんて馬鹿にしていたんですが
最近は高いマンションもできて、
地下鉄、京成線、路面電車と3線も通っちゃって
“いい町”になったよね。
それでね、うちはね嫁さんが日暮里の人。
日暮里ってのは、北側がちょっとアレで、
南側は谷根千とかいって人気のエリア。
これってね、山手線の内か外の差なんです。
嘆きの壁(笑)。


2、バーチャンの携帯に電話した

わたしのバーチャンはなにしろカワイイ。
ひなまつりだからと、あまざけ、ひなあられ、
ポンカン、液体味噌2本(え?)。

ありがとーって電話したついでに世間話。
おっきくなる前に飛び出した故郷のことを、
わたしはあまり知らない。
最近、いろいろどうでもいいことを聞きだしている。

悦「バーチャンは初詣どこいくん?」
バ「八坂神社と松島神社ともいっこ」
悦「三社参り(※)ね。で、どこ?」
バ「思い出せんのよー。三つ参れば
 どこでもいいと思うとるけん(大意)」
悦「結構適当なのね(笑)」
バ「そうなのよー」

※九州では初詣に神社を3社参る習慣があった。
だいぶすたれているうようで、わたし世代は知らない。


自分は年を取って大人になって、
いくつになっても老けずにかわいいバーチャンとの
携帯ガールズトークが楽しいのである。
先日なんて、酔った勢いでバーチャンに電話したし。あはは。


(木村悦子)