ミトシロ書房の業務日誌

■出版社に勤めたのち、フリーランスの編集者・ライターとして独立。『入りにくいけど素敵な店』という著書も出しました。レシピ本や街情報誌が得意なのですが、最近は書籍(単行本)を企画から校了まで、出版社の編集者さんとタッグを組んで制作請負などをしています。週刊誌はレシピなどのグラビアページをはじめ、文字みっちりの取材モノにも取り組んでいます。
■WEBメディアの仕事も歓迎します。場合によって写真撮影、取材コーディネート込みでお受けします。
■四柱推命、周易、断易できますので、占いのご用命もどうぞ。

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2012年3月5日月曜日

やさしいひとたち

市場を取材している。
まだ明けやらぬ早朝のマグロのセリから、
ひと仕事終えた働く男たちのための
食堂がオープンしてクローズするまで、
毎日毎日カメラマンと市場にいる。
撮影していると、
「カメラ向けると、みんなかっこつけて
高値つけてくれるから、いっぱい撮ってって!」

「おれおれ、おれも撮ってって!」

「アイツ写ると売り上げ下がるから!」

「うちの魚はね、カメラ向けると笑うの、ほら」

とか声をかけてくれる。
朗らかなひとたちがいて、なんだか楽しい。

預けた荷物に、差し入れのお菓子が添えられていたり、
取材時間を(早めの方に)勘違いして
おじゃましちゃったのに、
「明日だよね?(爆笑)
コーヒーでも飲んでいきな!」とかみんなやさしい。

「朝、自動販売機の前で
おにぎり食べてたの見たよ。
寒かったでしょ。ホレお茶でも飲んでいきな」
「お疲れ様! はいこれお土産」
(取材後、漬物や豆腐などをもたせてくれる)

マスコミだから優遇されているんじゃなくて、
「寒い中ご苦労様」と、ほんとうに心のこもった
もてなしを受けている日々だ。

7時50分からはじまる花のセリ。
「厳しい寒さのために、
(生育が)あまりよくないものもありますが、
助け合いと思って買ってあげてください」
みたいな前説があって、これにもちょっと感動。

(木村悦子)