1200年の間、人々が踏みしめた四国の巡礼道に
時空を越えて伝わってくる凄みがある。
うまくいかない日常や
わずらわしい世間から逃れたくて、
あるいは、大事な人の供養のため。
巡礼に出かけるきっかけはそれぞれでも
装束に着替えて歩き出したときから
だれもがお遍路ファミリーとなる。
土地の人がお茶やお菓子をくれたり、
「泊まっていきなよ」と宿を提供する人もいる。
なにしろ全行程約1400キロ。
自動販売機もコンビニも宿も
なんにもないところがあるからね。
自然の中を延々と歩いて、
屈託ない人たちとの触れ合いを経て、
戻る先は、結局人生の続き・わずらわしい世間。
「一人になりたい」と歩き出しても
戻るところは、もといたところ。。
でも、巡礼を終えて生まれ変われば、
いままで通りの人生の続きだとしても
ちょっとは輝くかもわからんよ。
宗教なんてあんまり好きじゃないけど、
神や仏を礼賛するのではなく、
頑張る心が宗教の本質かもわからんね、と。
そして、現実的に人を救うのは神でも仏でもなく、
人なんだなあと思った。
いい仕事したわ。
わたしが一番最初に就職した
交通新聞社からの刊行となります。
■誌名=楽しみながら歩く四国遍路と巡礼の旅
(トラベルムック ジパング倶楽部)
■出版社=交通新聞社
■価格=1200円+税
http://www.amazon.co.jp/dp/4330512149
(木村悦子)